<2019年度当初予算案②>経済産業省は家庭用蓄電システム導入促進
公開日:2019.1.9 / カテゴリ:蓄電池
目次
経済産業省と国土交通省をチェック
昨年末に政府が閣議決定した「2019年度当初予算案」。
再生可能エネルギー普及の観点から、今回は経済産業省と国土交通省の予算案をひも解いてみたいと思います。
エネルギー転換に向けた3施策
まずは、2050年にエネルギー転換・脱炭素化への挑戦を掲げている経済産業省。
中でも3施策に注目したいと思います。
1つ目が「燃料電池の利用拡大に向けたエネファーム等導入支援事業費補助金」で、約58億円の予算配分が行われています。
これは、家庭などでの省エネを促進し、世界に先駆けて本格販売が開始された『家庭用燃料電池(エネファーム)』および、平成29年度に市場投入された『業務・産業用燃料電池』の普及拡大を目指して、導入費用の一部を補助するというものです。
エネファームの普及目標は平成32年までに140万台!
事業者に対しては、価格低減を促す新たな補助スキームを用いて普及を強力に加速させるようです。
2つ目が「省エネルギー投資促進に向けた支援等補助金」です。
予算額は、なんと551.8億円!
省エネルギー設備への入替支援や次世代省エネ建材の実証支援のほか、大幅な省エネを実現した上で再生可能エネルギーにより年間で消費するエネルギー量をまかなうことを目指した住宅(ZEH:ゼッチ)と建築物(ZEB:ゼブ)の支援を行います。
※ZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEBはネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称です。
この補助金には、ZEHの普及目標を掲げたZEHビルダーにより建築される『ZEH+』( 現行のZEHより省エネをさらに深堀りし、設備のより効率的な運用などにより太陽光発電の自家消費率拡大を目指したZEHのこと)の実証支援も含まれています。
家庭用蓄電システム導入を促す補助制度
3つ目は「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」です。
予算額38.5億円の新規事業!
平成30年9月に発生した北海道胆振東部自信による影響で、一時北海道全域が停電し、住民生活に多大な影響を与えたのは記憶に新しいところだと思います。災害大国・日本において、このような災害は今後も全国で発生する可能性があります。
停電が長期化した場合でも、分散型エネルギーである太陽光発電と家庭用蓄電システムが設置されていれば、非常時でも各家庭で再生可能エネルギーを自立的に活用することができるようになり、エネルギー供給源の分散化にもつながります。
(↑経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課の資料引用↑)
今事業は、家庭用蓄電システム導入時の一部を補助し、電力レジリエンスの強靭化を図りたいという狙いもあるようです。
国土交通省も住宅の省エネ化後押し
こういった方向性は国土交通省も同じで、「住宅・建築物の省エネ化・長寿命化」を推進する方針を打ち出しています。
新築住宅や建築物の2020年度までの省エネルギー基準への段階的な適合や、2030年度のCO2削減目標の達成に向けて省エネ住宅・建築物の普及を加速させる意向です。
国の動向また消費増税も踏まえ、家庭用蓄電システムを導入する時期の見極めが今後のキーポイントです!!