全国のショップに『蓄電池』配備!広がる災害対策
公開日:2019.2.1 / カテゴリ:蓄電池
目次
災害時の充電サービス対応へ
ソフトバンク株式会社および株式会社ウィルコム沖縄は、1月31日に全国のソフトバンクショップおよびワイモバイルショップへの災害対応蓄電池の配備と『避難所支援キット』などの配備を、2019年3月末までに行うことを発表しました。
これは携帯電話サービスの災害対策の一環として行われるもので、2018年9月に起こった北海道胆振東部地震で広域停電が発生し、多くの市民が唯一の情報手段である携帯電話の充電に苦慮した経験がきっかけとなったようです。
停電時でも充電サービスを提供できるようにと、スマートフォンなどを同時に複数台充電できる『蓄電池』を全国のショップ(一部の商業施設内および家電量販店内の店舗を除く)に配備します。
避難所支援キットも配備
また、避難所が開設された時に需要が多い、充電サービスや無料電話サービスなどを提供するための機器をセットとした『避難所支援キット』を、各都道府県の事業所などに配備するとのことです。
避難所支援キットの中身は、充電セット(携帯電話、スマートフォン用)と電話機(3G回線を利用した固定型電話機)、Wi-Fiスポット(00000JAPAN)など。
両社は、全国に先駆けて、災害時の市民の通信手段確保への対策強化を図り、速やかに被災地の支援態勢が取れるよう、災害対策の取り組みを強化することにしています。
卒FITや2019年問題の解決手段としてだけではなく、災害対策の一手段としても、その必要性が高まってきた『蓄電池』。
リチウムイオン二次電池の世界市場拡大
■LIB世界市場(株式会社富士経済のリチウムイオン二次電池世界市場調査資料より抜粋)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済が、1月30日に公表した「2018 電池関連市場実態総調査 No.2』によると、住宅や店舗などで導入されている蓄電池などに使われている”リチウムイオン二次電池(LIB)”の世界市場は2022年に7兆3,914億円(2017年比の2.3倍)に拡大すると予測しています。
※蓄電池の種類については、こちらのコラムを参考にしてください。
この調査は、小型民生用(シリンダ型、角型、ラミネート型)、xEV用、ESS・UPS・BTS用の3品目のLIBをはじめとする二次電池8品目、一次電池8品目、LIB用制御部品5品目、LIB主要応用製品4品目、計25品目の市場を分析したものです。
専門的にみてみると…。
少し専門的ですが、傾向をみてみましょう。
小型民生用は、シリンダ型(円筒)が中心。シリンダ型は、テスラ(Tesla)をはじめとするEV(電気自動車)で使用されており、需要が増加しています。
また、充電式電動工具や電動アシスト自転車向けも”ニカド電池からリチウムイオン二次電池へ”という流れが加速しており、好調だということです。
角型はラミネート型への切り替えの影響から縮小していくとみられています。
一方で、ラミネート型はスマートフォンやウェアラブルデバイス向けが好調であり、小型民生用市場は拡大していくと予想されています。
xEV用(電動車用)は中国などを中心に市場が拡大しています。
中国では、乗用車のほか、バスや物流などの専用車で電動化が進んでおり、今後も市場は大幅に拡大していくとみられています。
最後に、ESS(エネルギー貯蔵システム)UPS(無停電電源装置)BTS(バックアップ電源)用では、再生可能エネルギー発電の普及に伴い、ESS(エネルギー貯蔵システム)で需要が増加しています。
BTS(バックアップ電源)では、鉛蓄電池からLIB(リチウムイオン二次電池)への切り替えが進み好調です。
さらに、5Gのサービスが2019年に欧米で、2020年には日本で開始になるとみられ、これによりBTS(バックアップ電源)でLIB(リチウムイオン二次電池)の需要増加が期待されています。
世界市場だけではなく、住宅に設定されている蓄電池などに多く使われている『リチウムイオン二次電池(LIB)』の国内市場も、再生可能エネルギー発電のさらなる普及や災害対策として、今後ますます拡大していくことが予想されます!